
考える人間・考える社会
自我を巡って葛藤した大正の人々 立春からの寒さは格別効くようで、寝床を出る時、エイヤッと弾みをつけねばならない。エイヤッの少し前はぬくぬくとろとろしていて、必ず思い浮かべるのが広津和郎さ...
人生とデモクラシーを考える、発信する since 2006.06.20
自我を巡って葛藤した大正の人々 立春からの寒さは格別効くようで、寝床を出る時、エイヤッと弾みをつけねばならない。エイヤッの少し前はぬくぬくとろとろしていて、必ず思い浮かべるのが広津和郎さ...
日本経済の元気が出ない。まあ、半世紀前に比べれば全体のパイが大きくなっているから、それなりに鎮座ましますように思うし、日常的に元気喪失を続けているのであまり気がつかないかもしれないが、19...
魚食天国 父親がとにかく魚を好んだ。魚料理であればなんでも機嫌がよろしい。わたしが小学校低学年までの付き合いなので、ろくな対話もしていないが、奇妙にいくつか忘れない話がある。魚好きとい...
「死の舞踏」という言葉には妙に惹きつけられる。死の恐怖を前にして半狂乱の人々が踊り続ける――14世紀の話である。 戦争とペストの時代 当時欧州は100年戦争である。フランス王位継承...
日本の政治を見ていて、このままではダメだと思う。ダメがそろそろ底を打つのではないかと期待したこともあったが、ところがどっこい、ダメにはさらに深い底があるらしく、ますますダメに向かって暴走し...
―頽 廃― 読書会では、トロツキー(1879~1940)『裏切られた革命』をだいぶ苦労しながら読み終えた。岩波文庫所蔵だが、大河ドラマどころではない。読み進むにつれて押さえるべき内容がど...
――最初に紹介するのは、昨年12月23日朝日新聞朝刊に掲載された高校生16歳の意見である。興味を引いたので、これに触発されたことを書きたい。 高校生の意見 小学生の頃の道徳の授業で、...
古いモデル 次々にいろんな言葉が登場する。今度は、タイムパフォーマンスという新顔だ。コストパフォーマンス(費用対効果)から作られたそうで、つまり時間対効果、時間消費の価値を意味するらしい...
北朝鮮の行動 北朝鮮のロケット打ち上げ騒動が収まらない。ご近所としては懐手して、子どもは花火が好きだと呵々大笑していればよろしいというわけにもいかない。いままで被害が発生しなかったのは、...
「外」食道楽 1963年に高校を卒業するまで、外食体験は非常に少ない。自分が格別少なかったのではなく、わが故郷ではそんなものだった。5,6歳だった。父親に寿司屋へ連れられて、高いカウンタ...
北京飯店の失策 ご近所の精肉屋さんで買ったザーサイを摘まんでいて、32年前を思い出した。1990年8月初めて訪中した。いまからはちょっと想像しにくいが、外国人が泊まれるホテルは少なく、第...
国際政治学の始まり E.H.カー(1892~1982)著『危機の二十年』(1939刊行)を読んで考えたことを書きたい。 『危機の二十年』は、第一次世界大戦(1914~1919)後から...