ライフビジョン学会

 人生設計セミナーが日本に初めて登場したのは1976年のことでした。それは新鮮さと驚きの目をもって迎えられ、主として産業人の世界から拡大し、やがて生涯教育の発想ともあいまって、今日では日本の様々の分野で、さまざまのプログラムが展開されています。

 しかし大衆化と時間が経過する一方で、人生設計がなぜ誕生したのか、人生設計がなぜ必要なのか、なぜそのようなプログラムが有意義なのか、人生設計は社会の中で今どのような機能を果たすべきなのかなどについて、掘り下げた認識が不足してきたことを危惧せざるをえません。人生設計を標ぼうする以上、それは限りなく人間の生き方、在り方に真摯な接近を試みることでなければなりません。

 私たちが提唱するライフビジョンは、次のような立場を堅持します。

 第一に個人の人生設計こそが組織や社会、さらにはよりよい世界を作るのだという原則的な立場を堅持します。世の中がどうなるか分からないから自分の経済や健康だけはうまくやっておこうというように問題を個別化・矮小化したり、始めに組織ありきというような立場はとりません。

 第二に個人の人生設計を掲げる以上、それは生涯を通じて個人が自由で挑戦的な人生を確立するための精神的かつ具体的な支援・支持を実現するものでなくてはなりません。固定的な立場やプログラムを押し付けるような立場は厳に慎まなくてはなりません。
 第三に人生設計は人生の賛歌に通じなければならないという立場を堅持します。加齢が負の印象として認知されるなら高齢化社会はすでに絶望的な社会でしかありえません。そうではなく加齢が日々人間的成熟を意味するならば、高齢化社会は確実に成熟社会であり、人々から歓迎されるようになるに違いありません。

 かくしてライフビジョンとは、個人が人生にビジョンを確立して生きることを奨励し支持し支援する人生設計の考え方(プログラム)です。
 この考え方と具体的方法について、同志があい集い、研究し、その成果を社会的に提供・還元していくべく、この度ライフビジョン学会を設立する運びとなりました。どうぞご参加下さいませ。 (1993年9月6日)

 入会金1,000円、年会費6,000円。お問い合わせは本編集部にどうぞ。