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市民ランナーへの誘い

おかぼん

 季節外れの暖かさが続いているが、4月22日は30度を超える真夏日であった。その昼日中、私を含めて数多くの市民ランナーがマラソン大会に参加した。無理が祟ったのか、熱中症で多くのランナーが救急搬送され、ニュースでも大きく報じられた。私の参加した「前橋・渋川シティマラソン」も16名ものランナーが搬送され、うち2人は重症だという。

 ランナーでない人(その方が圧倒的に多いのであるが)から見れば、この暑い中を何とバカなことを、と思われるかもしれない。確かに救急搬送されるまでやるのは褒められたものではないが、たまには童心に戻り、バカのひとつふたつ、やってみるのもいいではないか。そもそもフルマラソンを完走するということ自体、余程の鉄人でもない限り多少の無理は覚悟の上なのである。

 ところで市民ランナーは、参加者の7割近くを40代、50代の中高年が占めている。学生時代からランニングに勤しんでいたランナーは少数派で、生活習慣病検診の結果を見て、健康を意識して走り始めた方が数多い。私もその1人である。

 さらに全ランナーの半数以上が、ランニングを始めたきっかけに運動不足解消を挙げている。しかし、なぜランニングを続けているのかを問うと、理由のトップが「レース出場のため」、となるから不思議である。

 364,546人、これは一体何の人数かおわかりだろうか。2016年度にフルマラソンを完走した人数である。最近はその延びが幾分鈍化しているように見受けられるが、それでも10年前の2006年度に比べて約3.5倍に増えた。どうしてそんなに増えたのだろう。

 東京マラソンをはじめ、出場できる都市マラソンが増えてきたのも一因ではあろうが、折からの健康ブームの中、手軽に始められるスポーツとして市民が飛びついたのだろう。何らかのクラブに所属しているランナーが、4人に1人に止まっているのがそれを物語っている。

 ランニングが与える好影響を聞いたところ、疲れにくくなる、ストレスが少なくなる、病気・風邪になりにくくなる、ポジティブな思考になる、との答えが多い。

 新緑の美しい、スポーツにもってこいの季節がやってきた。健康のため何かしなければと思いながら、今日までずるずる来てしまっているなら、さあ、ランニングを始めよう。

 いつやるの? 今でしょ!