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マイナンバーカードの落とし穴

 マイナポイント第2弾ということで、すでにマイナンバーカードを持っていても、新たに健康保険証としての利用申込み、公金受取口座の登録により、7,500円分ずつ15,000円分のマイナポイントがもらえる。

 ところで、健康保険証としてマイナンバーカードを利用すると、どんなメリットがあるかというと、今まで使った薬の情報や過去の特定健診結果を医師や薬剤師等と共有できたり、医療費の自己負担が一定期間内で一定額以上になった際に、自己負担割合を減らすための手続きを省くことができたり、確定申告の医療費控除が簡単にできたり、さらに、健診・薬剤の情報や医療費などがマイナポータルで見られたりもするという。しかし、なんといっても一番のメリットは、医療機関ごとに何種類もの診察券を持つことやお薬手帳を持つことなどがなくなることであろう。

 ところがここに大きな落とし穴があった。せっかく健康保険証としてマイナンバーカードを利用できるようになっても、診療報酬が加算されることにより、その額は僅か数十円とはいえ、医療機関を利用すると従来の保険証より患者負担が増えるというのだから堪らない。さすがにそれはまずいということで10月にも見直されるようだが、この診療報酬制度はもう少し関心を持ってもよい。

 医療機関によっては、夜間や土日も診療をやっていますと宣伝をしているところがある。便利なようだが、夜間や土日に診療を受けると、夜間・休日等加算で割増料金を取られることがある。これは調剤薬局でも同じである。ドラッグストアに土曜日午後に買い物に行って割増料金を取られることはないが、併設されている調剤薬局では取られることがあるから注意が必要である。

 また、調剤薬局ではお薬手帳の提示を求められる。忘れても「ではシールを渡します」と簡単に言われるが、しっかり服薬管理指導料に差異がある。しかし、私に対する指導に全く差異を感じない。むしろ自宅に帰ってシールを貼る手間が増えるだけである。それで割り増しされるのだから、運転免許証と同様お薬手帳不携帯の反則金のようなものである。なお、その運転免許証も2025年にマイナンバーカードと一体化される予定である。

 その額僅か数十円と言っても、ちりも積もれば山であるし、なんと言っても多くの患者が自覚をしていないところが怖い。病気をしなければ全く関係ない話で、そうありたいものだが、さすがにそれは無理というものである。