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今年も小布施、走りました

おかぼん

 先週末の3連休に長野県小布施町で開催される「小布施ミニマラソン」に参加してきた。私が本格的に走るきっかけになったマラソン大会で12年連続の参加となる。今では小布施の町に入ると故郷に帰ってきたような気分になるから不思議である。

 「小布施ミニマラソン」が始まったのは今から14年前。長野オリンピックのボランティアとして訪れた1人のアメリカ人女性が小布施の町おこしとして開催を決意。必死に町民を口説き落としてハーフマラソンのみ制限時間5時間の大会を立ち上げた。第1回の参加者は800人であった。
 いろいろな変遷を経て、今は8千人の大会となった。わずか1万1千人の町に8千人のランナーが町内21㎞余りを走る少し変わったマラソン大会である。仮装が多いのもこの大会の特徴で、かつて仮装大賞に選ばれたランナーの言うには準備に3ヶ月かかったとか。熱中症対策からスタート時間は6時となったものの、制限時間5時間は今も変わらず。ランナー輸送に長野電鉄が早朝からランナー無料の臨時電車を運行したり、小学生も含めたボランティア2千名が早朝からもてなしたりと、もう町を挙げての一大イベントである。給水所も、水やスポーツドリンクだけでなく、野沢菜、リンゴジュース、アイスクリーム、フルーツ・野菜などなど至れり尽くせりである。
 私が初めて小布施を走った11年前、最高齢の男性は93歳で見事完走された。そのときのインタビューは今も鮮明に覚えている。「走歴28年です」。65歳から走り始めたということに驚いた。私にとって「マラソンは小布施に始まり小布施に終わる」と確信した一瞬であった。
 いろいろほころび始めた日本であるが、小布施に集うランナー、ボランティアの顔を見ていると日本まだまだ捨てたものじゃないな、と素直に思える。大の大人が子供に返る1日。「小布施ミニマラソン」は今年も無事に終了した。