月刊ライフビジョン | ビジネスフロント

悩ましきレジ袋 第二弾!

おかぼん

 レジ袋の有料義務化が開始されて3カ月になる。ライフビジョンに「悩ましきレジ袋」と題して否定的に書いて2年になるが果たしてこの3カ月の結果はどうだったか。

 案の定、万引きが増加しているようである。最近のセルフレジの普及で万引きが増えつつあったところに、レジ袋の有料義務化が拍車をかけたようである。大半がエコバッグになった結果、万引きしようとする客を見分けにくくなったのである。レジ袋であれば、その中にレシートにない商品が入っていることは通常あり得ない。しかし、エコバッグであればそうでないことも普通にあり得る。万引き犯に口実を与えられるのである。

 また万引きとは少し違うが、精算済みかごの窃盗?も大幅に増えているようである。エコバッグを持参しないか、持参しても入れるのを煩わしく感じる客が、かごごと車に積み込んで持って帰るのである。確かにわざわざ袋に入れて持ち帰り、帰ってすぐにまた袋から取り出すのが煩わしいことは理解できる。自宅から近いスーパーでは精算済みかごの減少が月間150個になったという。年間に換算すれば何と1800個。決して笑って済ませられる個数ではない。

 持ち帰る客の言い分は「次に来るときに持ってくる」だ。全く悪びれた風はない。しかし、袋に入れるのを煩わしく感じる客が、次回来店時に果たして持ってくるのかどうか。月間150個減っているのが何よりの証だ。ゴミ集積場にかごが捨てられていることがあるという。また、夏のシーズンとあって河原にもまとまって捨てられていることもあるそうだ。こちらはバーベキューの食材をそのままかごごと車に積み込み、食材を出した後にそのまま捨てられたのであろう。

 またこちらは窃盗とまでは言えないが、冷凍食品などを入れる薄い袋の減少が著しいらしい。中には筒ごとそっくり持ち帰る客もいるという。おそらく家庭で水分を含んだ食材を捨てるのに使っていたレジ袋がなくなったので、その代用に使っているのであろう。

 このようにレジ袋有料義務化はさまざまな新たな問題を引き起こしている。結局、不心得者がいる限り根本的な問題は解決しないのである。レジ袋の不法投棄がかごの不法投棄に代わっただけのような気がする。従来からのレジ袋不要の客にポイントを付けるくらいで良かったのではないか。

 レジ袋の有料義務化をする一方で、ゴミを入れる指定ゴミ袋の購入を義務化する。どうも官僚の考えていることは分からない。