月刊ライフビジョン | off Duty

広がるボランティア支援ボランティア

曽野緋暮子

 西日本豪雨災害では酷暑だったこともあるが、世の中のボランティアに対する考えが変化して来たのか、被災者だけでなくボランティアに対する支援も増えてきたと感じる。

 過去の災害では被災者宛に届けられた物資(飲料、タオル、軍手、マスク等)の一部をボランティアにも回すという感じだったが、今回は最初からボランティア宛にと届けられた支援も目についた。

 最も多かったのが飲料だ。ボランティアに行くときはお茶やスポーツドリンク等を4、5本は持って行くが、どこのボランティアセンターでも作業終了後に冷たい飲み物が出された。生ぬるくなった手持ちの飲料とは異なり、やっぱり冷たいのがご馳走だ。

 尾道では作業後ボランティアセンターでカップのシャーベットが出た。瀬戸内の柑橘を使ったシャーベットを製造している神戸のメーカーからとのこと。冷たい飲料も美味しいが、柑橘香るシャーベットは格別に「生き返る~」美味しさだった。

 和歌山の梅生産者グループが「ボランティアさんへ、私達は行けませんが代わりにボランティア頑張ってください。」と言うメッセージ付き個装の南高梅を、ボランティアセンターに届けて下さったのもうれしかった。梅干しの中でも高価な南高梅は酷暑にとてもお役立ちでした。

 豪雨の後の晴天続きで汗と粉塵、泥でマスクが必須の作業だった。すぐ汚れるので、休憩時間ごとに取り換えることもあるマスクを多く提供して下さったのも助かった。マスクにも種類が多く、人によってフィッティング状態が異なるのでいろいろ試せたのも良かった。

 時代を反映しているのだろう。汗ふきデオドラントシートも各種見かけた。汗臭いまま乗り物に乗ることに抵抗を覚える若者が多いのだろう。本当は加齢臭+汗臭いオジサン、オバサンが使うべきだったかも(笑)

 今夏の企業支援物資のヒットは「空調服」の無料レンタルだと思う。ボランティアセンターで受付していると、顔見知りのボランティアさんが「風神、借りた?」と聞いて来た。「いいえ。」と答えると「まだ残っていたら絶対借りた方が良いよ。」とアドバイス。紺色の作業着が積んであるブースに行くとメーカーの営業マンが「空調服風神」の説明をしてくれた。服に付いた小型のファンで外気を取り入れ、汗を気化させて涼しく作業ができるとか。高価な作業着なので名前と携帯番号を記入して拝借した。半信半疑だったがこれは優れものだった。汗の量が全く違う。バッテリーは連続8時間有効なのでボランティア作業中はO.Kだ。ファンを外せば普通の作業着同様に洗濯可だ。返却時、汚れたから買い取りたいと申し出たが、直ぐに洗濯して翌日に備えるとのことで却下! となった。後日社会福祉協議会のH/Pには100着貸出しますとの記事が載っていた。

 支援の形はいろいろだ。皆が無理しないで、できることをできる形でボランティアすれば良い、という流れになって来たかな~。

 私は明後日、島の高齢者宅の泥出しボランティアに行ってきま~す。