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次回衆院選に向け、大いに注目!

司 高志

 与党のやりたい放題がどうにも止まらなかった。最も顕著になったのは安倍首相時代からだと思われる。法令に触れなければ何をやってもOKな風潮がはびこり続けた。

 何度か本欄でも政治家や地位の高い者に対して、ノブレスオブリージュや「瓜田に履を納れず」、「李下に冠を正さず」**というようなことを述べてきた。最後には退場していった者もいるが、法には触れないなどと開き直り、しぶとい者が多かった。

 岸田首相の長男である首相秘書官が、やっと6月1日付けで更迭される。長男には、不適格性が疑われる行為がいくつかあった。海外出張での公用車を使用したお土産購入に加えて観光疑惑も浮上していた。普通ならここで懲りて、行動は慎重にして身を慎むところだが、昨年暮れに首相公邸で忘年会をやり、記念写真を撮っていた。多少の常識があればこれはやらないだろう。

 首相もよくない。首相公邸の私的な部分なら忘年会をやってもいいというような弁解をしたが、私的な部分でも親族らを呼んで宴会はやらないだろう。緊急事態が発生した時にはどうするつもりなのか?

 岸田氏長男を見ていると、バイトテロやら回転ずしのSNS投稿と同じような精神性を感じてしまう。宴会の記念撮影は、積極的にSNSに投稿したわけではないが、結局はワキの甘さから週刊誌に報道された。身内で悪ノリは、「森・かけ・桜」のお友達優遇の雰囲気も見え隠れする。

 首相は、不祥事大臣やらは比較的すんなり交代させてしまうが、身内は最後まで往生際悪く、かばい続ける姿は見苦しい。

 つい最近、偶然、筆者は電話で世論調査を受けた。選挙もない時期であれば、世論調査くらいしか政治の評価のチャンスもないが、政治はしっかりと監視していないと、すぐに暴走を始めるので注視を欠かさないようにしよう。

 さて次の話題である。与党も野党も大混乱である。個人も政党もおかしな行為が目立つ。

 公の質問の場で、見識を疑われるような質問を行う議員、セクハラ・パワハラ議員など、いずれも人間的資質を疑われる。選挙前に社会人基礎力の試験でも行っていただきたい。衆参には国会の事務局があるから、そこで人間性基礎研修でもしていただきたい。政党に任せていると、トンデモ議員が量産されてしまう。

 肝心の政党は、次回衆院選での着目点は、与党連立のひび割れがどうなるかという点と、野党第一党の入れ替え戦である。有権者の意思を反映させるべき課題が増える。

 どうするかを自身で考え、投票にはぜひ足を運んでいただきたい。投票率が少しでも上がり、国民全体として政治に関心を持っていただき、国民も代議士もこの国が向上するように行動していただきたい。


 司 高志 ライフビジョン学会会員

 * 主に富裕層、有名人、権力者、高学歴者が「社会の模範となるように振る舞うべきだ」という社会的責任に関して用いる。(ウィキペディア)

 ** 瓜の畑の中で靴を履き直すと、瓜を盗むと疑われる。また、李(すもも)の木の下で冠を被り直せば、李を盗むと疑われるということから、自分の行動は常に用心深くし、疑われるようなことをしてはならない。(ウィクショナリー)