毎朝、新聞を隅から隅まではちょっとオーバーだが、じっくり読む。しかし、スポーツと株式のページは全く読まない。テレビもスポーツ番組はほとんど見ない。ワールドカップ、プロ野球、サッカーそしてオリンピックもニュースで結果をみるくらいだ。未明に起きてＢＳで観戦なんて私には考えられない。
そんな私だが、テレビをつけていれば目に入るＷＢＣでの大谷翔平選手、ダルビッシュ有投手の行動、インタビューには好感が持てた。そして、野球の技量だけではなく、人として世間が騒ぐ理由はなんとなくわかってきた。
３月１７日、日本中がＷＢＣで盛り上がっている時、関東在住の友人から「知人が東京駅で偶然撮った写真です。」と大谷翔平選手の私服姿の写真がＬＩＮＥで送られてきた。確かに格好いい！ ユニフォーム姿しか知らなかったがフツーの格好でも全身のバランスが取れているし、顔も良い。目につくよな～と写真に見入ってしまった。これはＷＢＣに関心のある友人達に転送しなければと、せっせとＬＩＮＥ転送に励んだ。いつもは既読スルーの友人も「ありがとう、子ども達に転送した。」とすぐに返信が来た。「カッコいいのでスマホの待ち受けにした。」「一生懸命拡大して時計やベルトのブランドを確認した。」「友人達に転送して盛り上がっている。」等々凄い反響だった。
４月３日、スマホの待ち受けにしたと言う友人からＬＩＮＥが来た。「以前もらった大谷翔平選手の写真は偶然撮れたものではなく、２０１７年の某スポーツ紙の写真で仙台空港で撮られたものです。何故か高齢女性の間で拡散しているみたいです。」
驚いたが、大勢の人にＬＩＮＥ転送した手前放っておく訳にはいかない。慌てて「大谷翔平画像」でネット検索した。「３月１６日あたりから知り合いが撮った写真、撮影場所は東京駅、名古屋駅、博多駅、羽田空港などなど都市伝説のように様々なバージョンがある。」と。「世界的ヒーローに近づいた気持ちで友人知人に自慢したい気持ちはわかるが、偽情報の拡散に加担しないよう、高齢スマホユーザーは今一度注意が必要。」とコメントしてあった。わあ～、高齢女性、まんまと偽情報に引っ掛かりました！！！
早速ＬＩＮＥを送った友人達にこの記事を転送して謝ったけどかなり拡散しているだろうなあ。
そのことを忘れかけていた４月２２日、ＬＩＮＥ初心者の８５才の友人から「友人から名古屋駅で偶然撮れた大谷翔平選手の写真が送られてきた。大谷翔平選手の大ファンの友人に送りたいので、どうしたら良いか？」とメールが来た。「大谷翔平選手」「名古屋駅」「偶然撮れた。」この３つのワードでひょっとしたらと思ったが、あの騒ぎから時間が経っているから大丈夫かも。初心者がスマホやＬＩＮＥでの写真保存や転送を覚える良い機会だと思いレクチャーした。８５才でも新しいことにチャレンジしようとする人は呑み込みが早い。２日後には「ＷＢＣの時にプライベートジェット機で名古屋空港到着時に撮った写真です。」と言うコメントと共に例の写真が私にも送られてきた。出鼻を挫くようでちょっと気が引けたが、彼が偽情報発信者にならないように偽情報だと言う記事を送った。
この写真は詐欺サイトに繋がるＵＲＬのリンクもないし、昔流行ったチェーンメールでもないので被害はないと思われるが、知ったかぶりの高齢者はネットの世界ではいとも簡単に偽情報に踊らされることをしっかりと教えてくれた出来事だった。反省！！