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選挙で組織票・団体票に打ち勝つには

司 高志

 元総理が銃撃されてから、T1協会の情報が積みあがっており、その情報の一部を読み解くと、G民党が選挙で非常に強いのは、組織票・団体票を利用しているからであるという推論が成り立つ。

 日本には法人格を持つ団体や法人格を持たない任意の団体など様々な組織が存在している。法人格を持つ団体は、その活動を明文化して記述しているのだが、中には明文化されていない活動を行うことがある。そもそも政治活動団体以外の団体が、本来的な活動として明文化していない一つが政治活動であるといえるだろう。

 その組織の名目上の活動ではなくても、組織にとって自分たちの組織に利益をもたらすと思えば、その政党を応援する。

 応援が組織の成員である個人の判断に任されていればよいが、実態上は組織を挙げての応援となってしまうことがある。こうなると組織の有形無形の強制力が働き、個人はしぶしぶでも組織の方針に従わざるを得なくなる。

 そして多くの組織にとって、勝つと都合が良いのはG民党なのである。G民党の政策では、G民党に投票してくれる組織に報いるような政策がとられる。G民党の政策をよく見ればわかるだろう。

 G民党の価値判断では、組織>個人なのであり、組織の内部留保はどんどん積みあがっていくのに個人の給料はちっとも増えないという現象が必然的に進行する。

 現在進行中のエネルギー代金の高騰でいえば、電気、ガス、ガソリンを使っているのは、現に日本で生活している個人だが、その対策にはエネルギー関連会社に補助金が流れ、組織は大きな利益を出す。個人への配分はほんのちょっとだ。このようにして、生活者個人は軽視され、生活者の入れ物に過ぎない組織体がどんどん強くなっていってしまうのだ。

 こういう現象が起きるのは、G民党にとって、組織票・団体票がおいしいからに他ならない。G民党側からは、組織票・団体票が入りやすいような政策を進めておけばOKだ。そうすれば相互互恵、相見互いで、組織・団体はG民党に入れてくれ、G民党は、組織が儲かるような政策をする。

 このような傾向が長く続いたので、有権者はとんでもない思い違いの経験則を身に着けてしまった。自らの持つ一票が限りなく小さいと思う。低投票率では組織票・団体票の持つ力が、相当に有効に働くので、個人が持っている一票の価値が限りなく低いものに映ってしまう。

 そろそろこのマジックに目を覚ますべきだ。組織票・団体票は低投票率の時に有効に働く。だから自らの一票が小さく見えているだけだ。さあ、目を覚まして投票に行こう。投票率が高くなればなるほど、個人の票の価値が増す。選挙に行ってもどうにもならないと思っている人ほど、行ってみる価値はある。逆に選挙に行かず、文句を言っても後の祭り。次の選挙までやりたい放題で、ほくそ笑んでいるのは誰なのか、少し考えればわかるはずだ。