月刊ライフビジョン | off Duty

ウクライナ・コロナ・東北に揺れた夜

曽野緋暮子

 何となくプーチン大統領がテレビによく出てくるなあと思っていたら、あっという間にウクライナへの侵攻が始まった。ロシアとウクライナは同胞と思っていたのに戦争って、どういうこと? 驚くと同時に未だに納得できていない。未だにロシアが侵攻を始めた理由が理解できていない。しかし、一般市民が突然の出来事に為す術もなく命を奪われ、家をなくして国境を越えなければならない、とんでもない状況になっていることは現実なんだ。

 デジタル技術の進歩でフツーの人達がスマホやパソコンから現状発信、ヘルプの発信をすることができるので本当の声を聴くことができ、現状を目の当たりにすることもできる。でも、私には為す術がない。早く戦争が終わることを願いつつ、ユニセフ、AMDA等に募金をして人道支援の一助とするしかない。

 ウクライナ侵攻とコロナ感染のニュースに終始する日々の中、3月16日23時半頃宮城県、福島県で最大震度6の地震が発生した。一旦収まったが、2分後再び震度6の揺れが来た。スマホの防災連絡でたたき起こされたが、停電、断水が起こっているようなのでスマホで連絡を取ることは遠慮した。その後も余震が続いたが、翌朝には落ち着いた。テレビのニュースでは停電、断水が続いているものの、今回は津波がなかったので東日本大震災の時のような大きな被害はなかったようだ。

 東日本大震災のボランティアで知り合った人たちに、LINEやショートメールで連絡を入れた。皆さんひと息つかれたタイミングで電話をくださった。

 宮城県気仙沼市のSさん。「地震の揺れとしては東日本の時より凄かった。すぐに夫と一緒に東日本の時と同じ避難所を開設したけれど、夜中で寒かったからか結局誰も避難しては来なかった。」「とにかく津波が来なかったから良かったわ。」「停電も、断水も解消したから安心して。」

 相馬市のAさん。「地震は11年前より凄かった。2回目の揺れの時には天井が落ちるのではと思い、車に避難して一晩明かした。」「停電は解消したけれど断水が続いている。我が家は井戸があるので近所の人にも使って貰っている。」

 Aさんの地区の断水が解消し、飲料水としての通水が可能になったのは1週間後の24日だった。

 山元町のNさん。「震度6だからかなり揺れたけど、今は家具類を全部固定しているので食器が壊れたくらいで済んだ。津波がなかったから良かったけど地震としては11年前以上だったね。とにかく寒かった。直ぐに融けたけれど雪が5cm位積もったな。」

 南相馬市のTさん「震度6だよ、震度6だよ、いや~、揺れたね。夜中だけど家族で山に避難したよ。津波がなかったからすぐに帰宅したけれどね。離れの屋根瓦が落ちて、土壁も崩れた箇所があり、11年前は修復できたけれど今回は取り壊しだねと業者に言われた。」「断水が続いているけれど、我が家の井戸をご近所さんに開放している。」

 知り合いの皆さんが無事で一安心。東日本大震災の経験があるからだろう、冷静に対処されているようだ。地震の影響で東北新幹線が一部ストップしたまま。コロナでボランティアも市内在住者のみ。気になるけれど次の地震が起きない様に願いつつ、皆さんに支援物資を送ることしかできない。

 いろいろな所でいろいろなことが起きるが、何もできない自分が歯痒い。今できることは、声がかかった時にすぐに動ける健康な体を維持するよう、日々の生活をキチンと送ることかな。