月刊ライフビジョン | off Duty

ワクチン体験談にかん口令?

曽野緋暮子

 7月になり、ほとんどの友人が2回目のワクチン接種を受けた。先輩として(?)情報を流したので、接種後の副反応に関する情報が次々とメールやLINEで届く。「何ともなかった。」「1回目と異なり接種直後から腕が痛かった。」「腕が5日位腫れたままだった。」「37.5度以上の熱が出てかかりつけ医の処方薬を飲んだ。」「40度近く熱が出たので購入していた解熱剤を飲み、足には湿布薬を貼り、約1日半を過ごした。」等々。しかし、全員、3日程度で快復したので一安心だ。

 様々なマスコミ報道があったが、私の周囲で考えると年齢、男女別、日頃の運動量は余り関係ないようだ。副反応の出方は全くの個人差だと実感した。朝日新聞の川柳に「高齢者発熱したと自慢顔」とあったのには思わず笑ってしまった。

 ワクチン接種済証を入手した友人が大半となり、今は65才以下の若い人達対象の接種が進んでいる。ジムで若い人達から副反応について聞かれるので、友人たちと先輩顔して体験を話して(もちろん、マスクしてソーシャルディスタンスで。)いたところ、スタッフからチラシを提示された。ワクチン接種を受けない人や受けられない人に対する配慮から、公の場所ではワクチン接種を話題にしないようにとある。確かに配慮は必要だと思うが、インフルエンザの予防接種に関してこんなお達しはなかったよね。「ワクチン・パワハラ」なんて言葉も出てきているから仕方ないとは思うが、副反応が心配な人達に対する情報提供もダメッて、どうなんだろう。難しい世の中になったものだ。

 友人から電話。「都会の大学に行っている孫が帰省したけれど、帰宅後2週間は家から出てはいけないと言われたのでおばあちゃんに会いに行けない。」と言われたそうだ。学校に戻っても2週間はアパートに隔離なので夏休みも短くなるとか。学生はワクチン接種をしていないから仕方ないか。そう言えば、小学生の子を持つ後輩が言っていた。「幼稚園の卒園記念演奏会は市民会館で無観客で実施。プロの写真屋さんが撮ったDVDを購入でした。自分の子どもがメインで映っていない写真は面白くない。」って。「卒園式、入学式も当人達と親だけの参加でした。驚いたのは初めての参観日です。教室内の人数を一定数にするためにクラスを前半組と後半組で分けて前半組の児童とその親。次に後半組の児童とその親って具合でした。」「運動会も組体操は三密になるから中止。校庭でお弁当を食べることがNGなので午前中で終わるプログラムだったんです。」って。私達には理解し難い世の中になったものだ。でも、これが当たり前になるのかもしれないとも思う。

「ワクチン接種が済んだらランチ行こうね。」「ワクチン接種が済んだらどっか行きたいね。」なんてあれ程言っていたのに誰も具体的に声をあげない。日程を決めようとすると、「最低3週間は経過しないと抗体ができないよね。」なんて声が出る。ワクチン接種前にはワクチンを接種すれば、安心して動き回れると言う思いがあったが、いざとなると「ワクチン接種後に感染した。」とか、「本人は感染しなくてもコロナ感染の媒体にはなる。」と言われて何となく躊躇してしまう。お店で黙食も嫌だし、一口食べるごとにマスクするのも鬱陶しい。すっきりした気持ちでランチや旅行に出かけるにはもう少し時間がかかりそうだ。