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総理の心理勝手に分析隊

司 高志

 今回は総理の心理を勝手に分析してみる。まずは前総理から。

 この方は非常に特異な心理の持ち主のようで、窮地に立たされると突発的に口から出まかせの大見栄を切る。もちろんこれは大嘘なのだがここからが真骨頂で、その大見栄の大嘘がこの方の中では真実に自動変換される。だから罪の意識は全くなく、大嘘がスムーズに繰り返される。

 これを手助けしているのが官僚で、総理の大嘘に合わせて真実を修正してくれるので、結果として嘘と証明できないダークグレーとなる。公文書の改ざんや桜、賭けマージャンの後始末も官僚が口裏を合わせてくれたので、嘘は明白でも証明できない、グレーな真実となる。

 でもさすがに心のどこかでは嘘だと認識されているので自己破綻して、病気になってしまったのだろう。この病気は当人にとっては真実なのだが、ネットの噂によれば、最近は病魔も退散したようで、もう一回総理の座を狙っているらしい。

 コロナ対策に関して前総理は、心の奥底ではただのカゼと同等レベルと思っていたのだろう。だから大した対策もしなかったのだが、一方ヒーローにもなりたかったので、独断で緊急事態宣言を発出した。日本人はなぜか新型コロナに耐性があり、緊急事態宣言が功を奏したように見えたのでいい気分だったのだろうが、真の対策をしたわけではないのでぶり返し、ついでに自身の病気もぶり返したわけである。

 さて、現総理も心の奥底では「コロナはただのカゼ」である。でも特異体質の前総理のように、自分に魔法をかけて嘘を真実に自動変換することができないので、迷走することになった。

 官房長官時代にお答えできない、問題ない、批判にあたらないなどの強気で逃げ切れたので、これでいけると学習したのかもしれないが、それは特異体質の総理がいたからできたことで、自分がモロに風圧を受けることになると通用しないことがわかっただろう。

 総理になったときに野心が芽生えたことは間違いない。総理の座が棚からボタモチで転がり込んできたものだから、これを長期に維持しよう、あわよくば繋ぎではなく、次の本格的な政権への野心も芽生えたことだろう。

 だから、総理就任直後に解散せずに一番有効な継続手法を模索したに違いない。ところが、コロナウイルスには、「問題ない、批判には当たらない」の呪文が全くもって通用せず、迷走はますます深まった。

 さてここで、なぜコロナ対策ができないか分析することにする。

 心の奥底では、新型コロナはただのカゼであり、コロナは自然に消滅すると考えているから、コロナ解決に投入する資金が惜しくて惜しくてしょうがない。

 加えてこのお方は、全く科学の素養がないのではないか? しかも、危機管理も全くできない。それを自覚していればまだ救いはあるが、当人は危機管理が得意であると錯覚している。このお方の危機管理は、相手が人間の時には通用することもあるが、ウイルスには科学的手法しか通用しない。

 最近、政権の支持率が激落ちしている。これは当たり前で、これまでのコロナ対策が、現代版インパール作戦インバウンド編、オリンピック編と続き、次は緊急事態宣言明けの2月7日からの中国春節編と、総理、2F(ニカイ)、シンキロー(森喜朗)の3バカ大将による亡国の進軍ラッパが今日も鳴り響く。

 もはや、「とにかく1カ月でなんとしても感染拡大防止をしたい」という精神論しかなく、看護学生の投入まで検討されているから、これではもう学徒動員だ。

 そしてPCR検査の弱点ばかりを述べ立てているが、PCR検査の弱点を知ったうえで、感染拡大防止にどのように役立てるのかが腕の見せ所だ。精度は70%、活性でないウイルスでも陽性、ウイルスの破片でも陽性という欠陥を見据えて、これを感染拡大防止に使うことしかない。PCR検査は竹やりとは違うのだ。