月刊ライフビジョン | 社労士の目から

新型コロナの早期収束を願う

石山浩一

 2月27日、安倍首相は新型コロナの感染拡大を防ぐために、全国全ての小中高と特別支援学校について3月2日からの臨時休校を要請した。期間は春休みの始まるまでとしているが法的根拠はない。この要請に従って大部分の学校が臨時休校となった。そして、さらなる拡大防止のために4月6日には非常事態宣言を発表、7日に発出した。該当するのは東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県となっている。非常事態宣言を実現するため生活の維持に必要な場合を除き、みだりに外出しないよう要請し、「社会機能を維持するために必要な職種を除きオフィスでの仕事は原則自宅で行うように」と訴えた。

戸惑う 子供のいる家庭

 突然の休校もその後に要請されたテレワーク等の在宅勤務も我が家には関係ないことである。否、ないはずであった。しかし、そうは問屋が卸さずこれまでの生活と違ったものとなってしまったのである。

 すぐ近くにパート勤務の娘が住んでいて、中学1年と小学5年の男の子がいる。幸い、パパが学校休校と同時に在宅勤務となり、子供を見ることが出来る。昼食は大部分を娘が支度をしているので、それほど手を掛けずに食べているようである。子供たちは午前中勉強をして、昼食後はゲームや読書で過ごしているようだった。感染予防のため子供だけの外出は止められている。それを聞いて、外で身体を動かさなければストレスが溜まるだろうと、週に2日くらいは我が家で昼食を食べ、その後1~2時間を近くの公園などでバトミントンやキャッチボールで一緒に遊んでいた。ところが、今度は娘も在宅勤務となったのである。娘曰く「狭いリビングのテーブルで4人も仕事や勉強ができない。実家を使いたい」と宣言、その後は我が家にパソコンを運び、仕事の日々となった。

 娘は水、土、日曜日が休みなので、その日の昼食は家族が揃って食べている。火、金曜日は子供たちが我が家に来て娘と一緒に食べ、木曜日はパパが子供と一緒に食べるそんな生活が始まったのである。

 3月から休校が始まって2カ月が過ぎようとしているが、子供たちは休校をどう考えているのだろうか。ある日子供に「長い臨時休校が続きその間にいろんなことがある。それは記憶には残るが記録には残らない。記録に残すため今の気持ちを書いたら」と話をした。当初、子供たちは拒否反応だったが、鞭?と飴で何とか書いてもらうことが出来た。

(以下4月23日記・原文のまま記載)

           「これからの行動」  中学一年生

 僕は最初、全国の学校に休校を政府が要求し、学校が休校になったときは、コロナに対する恐怖なども薄く他人事のように感じていました。そのため普通にちょこちょこと外出していました。他の子もコロナへの恐怖心が薄かったのか、よく公園に一緒に遊んでいました。この頃は「ずっとこんな感じですごしておけば、コロナも収まってくれるだろう」と軽い気持ちでした。

 しかし、政府によって緊急事態宣言が発っせられ、外出も少なくなり他の子と遊ぶこともなくなり、毎日の暇な時間が増えていきました。さらに追い打ちをかけるように新しい中学の入学をはじめとする延期及び中止の情報がたくさん入ってきました。

 これからは外出も多くを自粛していき、自分が感染しないように、他人に感染させないような行動をとり、コロナが1日でも早く収束することを願います。

           「緊急事態宣言・休校」  小学5年生

 休校になって運動会や林間学校・始業式もなくなり、暇になりました。久々に、まださわいでない時期に陸上をやりました。50メートル走が0.5秒おそくなり、筋肉痛。

 緊急事態宣言・4月6日月曜日・仏滅・6時30分…、から1日たった7日に発令。バトミントンをしに公園へ。マスクをしてやりました。

 スーパーは密!密!密! 台場やぐるり公園はランニングですごい密集してました。

 改めて5年生の悲しい始まりになりました。5年生のアルバム写真がなくなるような気がします。コロナに負けず健康にくらしたいです。

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 漢字が多いのに感心したが、子供新聞で調べたとのことだった。どれほど真剣に書いたのかは分からないが、子供なりに新型コロナによる休校を考えているようである。このことは記憶・記録として残されるが、同時に再びこのような経験のないことを願う。


石山浩一 特定社会保険労務士。ライフビジョン学会代表。20年間に及ぶ労働組合専従の経験を生かし、経営者と従業員の橋渡しを目指す。   http://wwwc.dcns.ne.jp/~stone3/