論 考

高校生哲学者の言葉

 イギリスで産業革命が開始した1760年から、地球の気温は1.1度上昇したという。9月22日に発表された世界気象機関(WMO)の報告で、2007年から16年までに海面が年平均4mm上昇したというのも大変な数字だ。

 スウェーデンの高校生グレタ・トゥンベリさんの国連演説は、鋭く厳しく大人の理性的怠慢を突いたもので、うなずくよりも、低頭するしかない。

 「あなたたち大人は『橋』なのか!」というのが骨子だ。ニーチェ(1844~1900)は、「人間の偉大は自己目的ではなく『橋』であることだ」と、ツァラトゥストラに言わしめた。

 ジンメル(1858~1918)もまた、「社会は共存と継起」、つまり、お互いの相互作用と世代から世代への2面をつねに思索せねばならないとした。

 いま、わたしたちが直面しているのは、いかにして戦争をなくするか、そして、いかにして環境悪化を食い止めるかの2つだ。