月刊ライフビジョン | 甘酸辛苦

表層の死角

POOH

 先日、大学で「情報職業論」を受講した。グループを作り、出題テーマに基づく解析とプレゼンテーションをするというスタイルで、メンバーはそれをブレーンストーミングで進める。講師は某情報サービス会社の現役社員だった。

 今や家電製品がスマホとつながり、車が自動走行し、AI(人工知能)が現実化する時代が到来している…。この授業、まるで企業の研修会だった。

 私は電電公社の民営化を経験している。NTT労働組合専従役員の立場からICT(Information and Communication Technology=情報通信技術)時代への激変を中から見てきた。

 19世紀の産業革命がそうであったように、現在進行中の情報テクノロジーは人々の生活環境を変え、行動パターンを変え、思考を変えて社会まで変えようとしているように見える。その「表層」に死角はないのか。

「表層の死角」紙、銀筆


 熊のPOOHさん
 1954年、桐生市生まれ。 22歳から労働組合の地方組織で32年間組合活動に専念後、再就職先も定年退職し、現在武蔵野美術大学・通信教育課程で「絵」の修業中。