論 考

自己欺瞞

 日米物品貿易協定TAG(Trade Agreement on Goods)は、包括的な自由貿易協定FTA(Free Trade Agreement)とは全く異なるという。失笑を禁じ得ない。日本的官僚言葉のごまかしに過ぎない。

 昔、「自衛力は軍事力ではないから、自衛隊は軍隊ではない」という論法が使われたのを想起した。

 たとえばTAGの自動車とFTAの自動車がどう違うか。

 本来なら、正面から堂々とアメリカに対して自由貿易の意義を主張する。それがあってこそ、地球儀を俯瞰した外交というものだ。

 アメリカの押し付けに逆らえないが、TAGはFTAとは違うのだから、日本の言い分が通った、と体裁を繕う次第である。

 昔、「~と日記には書いておこう」という言葉がはやったねえ。