月刊ライフビジョン | 甘酸辛苦

フレスコ画のロマン

POOH

 大学の授業でフレスコ画を実習した。フレスコ画は濡れたマルタ(石灰と砂を混ぜて水で練ったもの)の上に顔料で絵を描く。石灰分が顔料を覆いながら結晶し、顔料は結晶に閉じ込められて定着するという技法である。

 有名なフレスコ画にシステイーナ礼拝堂のミケランジェロの最後の審判があるが、フレスコ画と同じ原理で現存しているものには「ラスコーの洞窟画」やポンペイの遺跡、日本の高松塚古墳の壁画がある。

 ところで人間は、洞窟の岩や教会の壁にどのような「記憶」を後世に伝え残そうとしたのだろうか…。

ミケランジェロ作・ダヴィデアポロ模写

 煉瓦、フレスコ画


 熊のPOOHさん    1954年、桐生市生まれ。
 22歳から労働組合の地方組織で32年間組合活動に専念。再就職先も定年退職し、現在武蔵野美術大学・通信教育課程で「絵」の修業中。