みんなのコラム

事実を報じる記者を護れ

すぎかふん

 ボルサリーノ・麻生が、「週刊誌に言えて守秘義務のある弁護士になぜ言えぬ」と宣うた。矢野官房長は「名を伏せて言うことがそんなに苦痛か」と放言した。
 言えませんよぉ、オタクたちの政治を見ていたら。憲法なんて蔑ろ、正義も犯罪も胸先三寸匙加減、今の日本政治は安倍マフィアが仕切っている。たとえ事実を告発しても「無かったこと」にするのは朝飯前、逆に返り討ちされるのが関の山。

 この政権には強いパターナリズムが働いている。お父さんが言うことは正しい、黙って従えば守ってやるけど逆らえばあとは知らないよ、というアレ。愛妻家の首相は夫人による説明を「私がこの場で責任を持って今まで答えている」と述べたそうだが、これも独立した夫人の人権を私有化するもので、アウト! パターナリズムは基本的人権と一番遠いところにある。絶滅したと思っていたけど永田町は増殖に絶好な環境のようで、新入りの若い議員たちも次々汚染されていく。

 たとえば慰安婦問題がある。金を払えば問題解決、何度謝れば気が済むのかと居直り、いつまでもぐずぐず言うソッチが悪いと攻守逆転し、不名誉な事実を無かったことにしようとする。
 「謝罪」は事実を当事者間で共有し、より強い友情と絆を結ぶ心の成長への道であると思う。それを今の政権では「カネメの話でしょ」と一蹴する。これが彼らがよりどころとする、「栄えある日本民族」の真の姿である。

 今回の話はパワハラという別名ももち、あらゆる職場の隅々まではびこっている。権力の不正を報道する記者を守ることは、自分と家族と仲間が生息する「民主主義」を護ることであるから、ここは絶対譲れない。