18歳成人法案を巡って、読売は「青年の自覚」、日経は「18歳の自立」などの言葉を掲げる。
至極もっともなのではあるが、実は、その前提は彼らが背中を見ているところの先輩世代の「自立」にこそ最大のポイントがあると、わたしは思う。
たとえば、先輩世代はブラック企業がのさばっていても毅然として片付けられない。巷間、大人世代の「apathy」が当然視されている。
ニーチェ(1844~1900)は「人生の偉大は自己目的ではなく橋であることだ」と書き残した。
apathy世代が残すものは無力感でしかない――ということを噛みしめなくてはいけないと思うのである。