機械を作るには、設計図が作られて、それを忠実に形にしていく。
機械設計で最も重視されるのは強度の計算である。製品の恰好はついたが、使ってみたら直ぐ壊れたなんてことになってはならない。
いよいよ設計図を工作現場に出す段階で出図会議が開催される。
新技術に挑戦するような場合は設計のみならず工作する側も従来にないものに挑戦することが多いから、出図会議は「やってくれ」「そんなものを作られるか」というような設計と工作のせめぎ合いが発生するのはしばしばだった。
工作側は、設計図を了承すれば全面的にその通りに加工制作するのであって、工作側が設計図と異なる製品を作るなんてことはありえない。
1960年代、「ものつくり(日本)」なんて言葉はなかった。
元々「物作り」といえば農作・耕作することである。
そんな言葉がなくても、やるべきことをきちんとやったから、日本の技術力が世界的に認められるようになった。
昨今、やるべきことをやらず、「ものつくり」なるコピーだけが独り歩きしているみたいではありますまいか!
もちろん、かの「働き方改革」も同じ言葉の独り歩きだ。