論 考

年の初めの献杯

 昨年、尊敬する矢吹晋先生(横浜市立大学名誉教授)の『習近平の夢』(花伝社)が第5回「岡倉天心記念賞」最優秀賞に選ばれた。

 国際アジア共同体学会副理事長・朱建榮教授(東洋学園大学)の簡潔にして的を射た推薦文が出されているので紹介する。

 《推薦文》同著は世界的な視野で中国のリーダー習近平主席の「夢」を解析し、特に米中関係の推移に対する検証を通じて両国間の奇妙な共存関係を浮き彫りにし、「チャイメリカ年表」をおそらく史上初めて作成した。南シナ海問題、AIIB問題などにおいて日本が誤った対応を重ねたことも国際法、国際関係の角度から鋭く指摘し、中国の勃興、朝鮮半島のありうる激変などを含むアジアの行方に日本は何をすべきかを考える上で啓発に富む好著である。ゆえに最優秀賞に推薦した。

 矢吹先生はさらに年末に『中国の夢』(未定稿)をお書きになった。素晴らしい、凄い思索力と活動力に対して、私淑する者として今年最初の献杯!