論 考

健全の意味が難しい

 日経社説(12/27)が「人口減への健全な危機感をもて」と主張する。

 結論は、若い方々が、子供を生み、育てやすい社会にしようというのだから、格別異論もない。

 わが国は、明治維新当時は3300万人ほどで、1967年に1億人を超えて、いまは1.28億人である。合計特殊出生率から計算すれば、22世紀初めには4100万人くらいになるらしい。

 子どもを生んで、育てやすい社会というのは、畢竟、いま暮らしている方々が心地よい社会であろうと考えると、単純に社会保障を出産・子育て方面へ投入すればよいということにはなるまい。

 育てる(育てられる)間は上等だが、一人前になったら生活しにくいというのであれば、やはり、せっせと子どもを生まないだろう。

 人口減への「健全な危機感」という言葉の意味を理解しかねている。