論 考

恥の文化はどこへ消えた?

 八百屋の長兵衛と相撲の年寄り伊勢ノ海が囲碁友だちで、長兵衛は断然腕前が上だったが、野菜など買ってもらいたいので、適当に敗けてやっていた。

 横綱谷風が、親孝行で有名な十両の佐野山が、母親の病気でおカネもなく看病疲れで追い詰められているのを救ってやろうとして、千秋楽の対戦を申し入れた。上手に! 負けてやって佐野山の苦境を救った。

 こういうのを八百長相撲というが、自民党支持者が見ても、自民党議員の質問が、国民が疑問をもっている事項を明確にしようという態度でないことは明明白白な八百長国会は、とてもじゃないがご免蒙りたい。

 日経新聞社説(11/28)は、野党が、昭恵氏と佐川国税庁長官を国会招致せよと主張しているのについて、与党も率先協力すべしと主張した。常々、モリ・カケ問題で腰を引いている感じであったが、会計検査院報告も出て、はたまた八百長国会を見るにつけ、いかになんでも酷過ぎると考えたのだと思われる。

 読売社説(11/28)は、野党が新しい証拠もなく質問を繰り返すと批判するが、安倍氏が真っ当に答えていないのだから、繰り返しでも仕方がない。

 そそそも、疑われるだけでも恥だというのが、保守の諸君が好きな武士の魂ではなかったのか。