論 考

5か国の連携

 トランプ氏が北朝鮮をテロ支援国家に再指定したのは、依然としてアメリカ側に打つ手が(確定してい)ないことを意味するだろう。

 宋濤氏の北朝鮮訪問が奏功しなかったからだとする説は当てにならない。

 トランプ氏が、もし、「中国は北朝鮮を簡単に説得できる」などと考えているのであれば決定的に外れである。

 再指定をうけた中国報道官のコメントが今後の方向性を示している。いわく、「北朝鮮問題は高度に複雑、かつ敏感な問題である。各国がテーブルに戻るようにするべきだ」。

 ロシアは「(再指定を)馬鹿げた決定だ」とコメントした。

 つまり、たとえば6か国協議を再開するには、北朝鮮以外の5か国(米・中・ロ・日・韓)が十分なすり合わせを必要とする。

 本日社説で読売は「テロ国家再指定 北朝鮮の新たな挑発に備えよ」、日経は「北のテロ国家再指定は妥当だ」と書くが、なにをお考えか?

 朝日は「米の対北政策 敵視だけでは前進せぬ」と書いた。読売・日経よりはマシだが、どうも論旨がすっきりしない。