日々道楽

逆走の時代

 幸徳秋水(1871~1911)が『帝国主義』を記述したのは1901年である。

 アメリカ事情について次のような予測を記した。

 ――将来、米国が生存の危機ありとすれば、領土拡張や、内部の腐敗堕落、富の分配の不公平、自由と平等の滅亡、そして侵略主義と帝国主義の跋扈が原因となろう(要約)――

 それから116年。1970年代まではアメリカが世界の警察官として君臨することが批判されたが、比較的善意の超大国! としての評価が次第に主流になった。

 その頂点がオバマの時代であったかもしれない。

 一転して、トランプの時代は、なによりも言葉の不信感が高まった。

 また、plutonomy(プルトノミイ 金持ち経済圏)という言葉も登場している。plutocracy(プルトクラシー)は金権政治だが、政治だけではなく、すでに経済的格差が人々を分断してしまったというわけだ。

 いろいろ批判されつつも、いままでは「未来はよくすることができる」というAmerican Dreamの残滓があった。

 しかし、トランプの時代は明らかに歴史を後ろへ向けて走っている。秋水の予測が現実化しつつあるみたいだ。