みんなのコラム

「絵」とは何か

POOH

 絵が単なる物質であるならば、そこに見えるのは「絵具」に他ならない。一枚の絵がみる者に感動を与え、時にはその人の人生にまで影響するほどの力を持っているのは、絵が単なる絵具の塊ではないということである。ある美術評論家は「絵画が単なる装飾品として部屋に飾って癒されるだけのものになっているが、そんな絵は芸術ではない」と言い切っている。もう40年も前の美術評論である。
 相変わらず現代アートと称して銀座あたりの画廊に「装飾品」が氾濫している。飯を食うことを優先して売るための「装飾品」づくりをめざす、勘違いな者たちもいる。この国は芸術文化の高みを低く抑えることによって経済発展してきたのではないかとさえ思うことがある。こうした意味で批判的精神をもって「絵」を描かなければならない。

pooh  ktaj1979@olive.ocn.ne.jp