論 考

きっぱり感

 立憲民主党を支持した理由は、民進党になかった「きっぱり感」があることだ。――これ、東京新聞の読者投稿蘭の声である。

 わたしも共感する。

 よく、民主から民進党にかけて、いろんな考え方の議員が集まっていてバラバラだというジャーナリズムの指摘がいつもあった。

 しかし、これはおかしい。自民党だってそれこそ右翼から左翼までいる。全員がなにからなにまで完全一致するなんてことはありえない。

 要は、党としての立ち位置を内外に明確にすることだ。立ち位置に対して、どうしても馴染めなかったら、その人は党外へ出るしかない。

 はじめにいろんな議員がいて、それをまとめるために党の立ち位置を決めるという逆の発想をとると、党は志と異なってますますまとまりにくくなる。

 もちろん、党の立ち位置が永久に変わらないなんてことはない。当然、状況に対応し、あるいは、状況を変えるために活動しなければならない。

 ただし、わが国の政党は立ち位置の基盤がデモクラシーにある。たまたま、デモクラシー無視の自民党がドタバタやっているから、立憲民主主義を押し出したことは時宜を得ている。

 かの読者も、これに気づかれたのだと思った。