論 考

政局不安定こそよい政治を生む

 政局の安定とは、過半数以上を有する政党が牛耳ることである。

 しかし、人間とはラクなほうへラクなほうへとなびく怠惰な性質を克服できないのであって、それは職業政治家諸君とて同じである。

 まして、彼らは厳しい選挙の洗礼をうけるわけだから、ともすれば次の選挙に備えて! 英気をやしないたくなるものである。

 常在戦場というが、これがすべてを物語る。常在政治ではないのである。

 したがって、政局の安定とは職業政治家に惰眠をむさぼらせるものだという認識を、有権者諸兄姉はオツムに叩き込んでおきたい。

 政局の安定は政治の安定とは異なる。政局の安定は職業政治家を堕落させる。もって、よい政治をやらせるためには、政局の不安定こそが大事である。