論 考

解党博打の行方は?

 今回の選挙の意義は、デモクラシーの原則を踏まえず、権力を恣意的に駆使する自民党を掣肘することにある。

 そのためには、1人でも多く非自民党(的)議員を当選させたい。

 だから前原氏は、奇策ともいうべき実質解党で、希望の党と合流しようとする動きを起こしたとみられる。

 ただし、小池氏は思想からしてデモクラットではない。体質的には極めて独断的である。希望の党はまだ政党の体裁がない。運動体として機能するか否かも疑問が大きい。

 前原氏は、理念・政策が問題だと常々主張していたはずである。その基本的態度を思いつきで変えるのは納得しにくい。

 100歩譲って、自民党を掣肘するという大義名分を押し出すとしても、限りなく自民党(それもライト・ウイング)の小池氏一派であり、看板は対自民党だが、間違いなく自民党の姉妹党であると、わたしは見ている。

 世界中の物笑いになりそうな予感がする。

 日本の政界は未熟、権力奪取と保持だけが目的化している。

  政治家はまことに未熟な連中が多い。政治家でない政局屋が飛んだり跳ねたりする限り、国民のための政治は期待できない。

「ジリ貧」を避けようとする一発勝負で、これではまるで対英米開戦に踏み切った東条英機とそっくりだ。米内光政が「ジリ貧を避けてドカ貧にならぬよう」にと発言した故事を思い出した。