論 考

マンネリ人事の効能

 内閣改造と自民党人事がおこなわれる。

 いずれも派閥力学順送りで、第4派閥の岸田派は、麻生・安倍派の取り込みの傾向だ。

 茂木幹事長をライバル視する岸田氏としては、更迭したいのは山々だが、下手をすると党内抗争に点火するので、ここはじっと我慢して、茂木氏と同じ派閥の小渕氏を重用して、茂木氏の足元を揺さぶる作戦という。

 改造・人事刷新の狙いは内閣支持率押し上げにあるが、権力争奪前哨戦と派閥均衡という、昔から不変のテキスト通りで、顔触れを見ても、格別の新鮮味、意外性もない。

 しかし、これで意識調査をすると、どういうわけか支持率が上がるのだから不思議というべきか。

 人事だけではどんな仕事をするかわからないが、変わり映えしないのだから、大きな期待がもてるわけはない。