インドでのG20は9日、開幕早々に首脳宣言を発表した。事前には、首脳宣言がまとまらない可能性を主催者が大々的に流していたから、とにかくまとめる線での雰囲気つくりをやったみたいだ。
先のインドネシアG20では、ウクライナ戦争において、ロシアの完全かつ無条件の撤退をぶち上げたが、今回は、領土獲得のための武力行使には反対、核兵器の使用は許されないとした。
ウクライナ戦争の人的被害、食料・エネルギーの負の影響を強調するも、状況の見方評価がわかれたという。そして、ウクライナ穀物合意の履行を要請した。
できるだけ現実を反映したものにというのがモディ首相の意図だろう。先回の宣言と今回の宣言を比較すれば、今回は、ロシア叩きが主流にならない理由を考えさせようとしたとも考えられるが、その微妙かつ問題解決のための核心を西側が本気で考えるかどうか。
見方によっては、モディ首相の高等戦術である。西側内部、西側とウクライナ間の意思疎通が悪くなっているのは傍目にもわかる。
いったい、だれが本気で戦争停止を推進するのだろうか。