論 考

タフガイもナイスガイも害

 エルドアン氏が大統領選挙決選投票を制した。得票獲得率52.18%、次点のクルチダルオール氏は47.82%であった。

 挑戦者は独裁を批判し、民主に立ったが、選挙戦途中に難民を自国へすべて送り返すというような奇策にも出た。民主というより、ポピュリズムであり、しかも政治的力量未知数だから、大善戦だった。

 すなわち反エルドアン票を半数近くまで結集した。同時に、それはトルコ国内が大きく分断されている事実の証明である。

 クルチダルオール氏は、強権的でないナイスガイとして登場したが、結果はタフガイに勝てなかった。

 各候補者に反対の国民からすれば、タフガイも、ナイスガイも自分にとっては害! である。

 民主も、強権も1日にしてならず。個人の政治力に大きな期待をかけることは「害」以外のなにものでもない。