論 考

乱調のデモクラシー

 予想通りトランプ氏は全面無罪を主張、徹底抗戦の構えだ。

 担当のブラッグ検事は、トランプ氏が不都合な事実を隠すために、いろいろ画策したことが34の重罪と主張したが、内容がしっかりとはわからない。

 手錠なし、自己誓約による保釈金なし保釈。次回は12月4日に決まった。CNNの調査では、国民60%が起訴を支持しているという。

 トランプ氏は大統領選挙立候補を辞退しないから、このままで選挙戦へ走っていくことになる。選挙戦への影響は次第に大きくなるのではないか。少なくとも共和党だから、トランプ支持とはならない雰囲気だ。

 常識的には、議会襲撃事件の教唆・扇動こそが重罪だが、まあ、アメリカの民主主義はすっきりとはわからない。

 民主主義を押し出した外交戦略が、多くの途上国を説得できない事実と併せて、さすが民主主義国という得点にはなりそうもない。

 世界は、『ガリヴァー旅行記』のリリパット国みたいで、ひさしぶりにページをめくっていると、ため息が出た。