論 考

寂しい日本の外交

 日中外相会談が開催されたのは是だ。ただし、日本が米国外交の枠内で動くのみであれば、日中関係にめぼしい前進は期待できない。

 ウクライナ問題に対する中国の考えを引き出す工夫がほしかった。

 新聞なども、米国が世界秩序を維持しており、あたかもそれが当然のように記事を書いている。これはおかしい。

 日本においても、1970年代ごろまでは、米国流で世界秩序を引き回すことに全面的賛成ではなかった。世界秩序というならば、日本は国連中心主義できた。もちろん米国が国連の旗の下に駆けずり回るのであれば歓迎だが、実際は、米国流を押し通すから、国連弱体化の大原因をつくっている。

 それに対して日本はなんら効果的な動きができない。

 少しは日本の独自外交らしきものが見たいものだ。それがしっかりすれば、東アジアの安定に貢献するし、ひいては国連中心主義を展開することになる。