論 考

ひさびさ、読む記事あり

 今朝の朝日新聞は読む価値があった。

 1面、2面に放送法をめぐる総務省文書の記事があり、2面に文書内容のピックアップがあって、うまく要約している。

 32面社会面に、高市氏が、文書は「捏造、不正確」と発言した経緯があり、行政文書の捏造があるのかいなかという視点での取材記事を配置した。高市発言は政治的にはお粗末レベルなので社会面が相当だ。

 政治家は法律の狙いを自身が正しく運用できる人でなければならない。これを破ったのが安倍氏であるが、高市氏もまた衣鉢を継ぐ! らしい。

 で、この手の記事は面白いが本筋ではない。本筋は、一部の政治家が言論報道・表現の自由を、自分たちの気分がよい方向へ捻じ曲げようとしたことだ。その点とくに、高市氏の悪漢ぶりに目を奪われないようにしたい。

 もう1つは13面の、ウクライナのインターネットメディア『ウクライナプラウダ』編集長セウヒリ・ムサイエワさんのインタビューである。

 戦時中で、記事が政府や(国家主義的な)人々の批判をうけるなかで、「なぜ、これを報道するのか」と聞く高官に対して、ムサイエワさんは、「あなたは今日は高官だが、明日は解任され、そしてウクライナプラウダは独立メディアとして続く」と言うのだそうだ。

 さらに彼女は、「外部からの圧力よりも、記者たちの自己規制」について強い問題意識を持っている。

 この姿勢が、ジャーナリズムの真骨頂であることは言を俟たない。放送法文書問題のポイントはここにある。本日の話は改めて、もう少し詳しく書くので、このくらいで。