論 考

臨時会を炎上させよう

 自公の幹事長・国対委員長が臨時国会を9月最後の週に開催で合意した。

 通常国会は1月20日から6月18日まで150日間開催された。おりからモリ・カケ事件が佳境に入り、民進など4野党が臨時国会を要求した。ところが与党は応じない。

 憲法第53条には「内閣は、国会の臨時会の招集を決定することができる。いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」とあるから憲法無視だと批判されても仕方がない。

 総議員の1/4という規定は少数党派を尊重するものであるが、政府与党はデモクラシーの党ではない。同条には期日指定がないという理屈で逃げた。

 ところが自民党2012年憲法改正草案では「要求があった日から20日以内に召集されなければならない」としている。こりゃあなんだ?

 現実は20日どころか、2か月以上ほったらかしだ。なんとしてもモリ・カケ事件から遁走したい。不誠実にしてみっともない話だ。

 今回は、高度プロフェッショナル制度創設(残業代ゼロ)・罰則付き残業上限規制(長時間労働を減らすことになるとは思えない)→労働基準法改正案、同一労働同一賃金→労働契約法改正案がある。財界ご推薦の法案だ。

 これらは、法案提出前に労働政策審議会(厚労省の諮問機関)で審議するだろうが、この内容は、働く人の立場からすれば羊頭狗肉である。

 政府与党が具合の悪いことからは逃げる。自分たちがやりたいことだけはやろうとする。まったく、いけしゃあしゃあ、政治の私物化、議会ジャックだ。

 モリ・カケ事件の徹底解明をやり、労働基準法改悪に反対して、臨時会を炎上させてやろうではないか。