論 考

ワラにもすがる気持ち

 10日、ホワイトハウスでブラジル大統領のルラ氏とバイデン氏の会談がおこなわれた。

 ルラ氏は、ウクライナ戦争について、中国・インドなどと平和クラブを組んで停戦を協議したいと語ったらしい。

 バイデン氏の反応がわからないが、いま、考え得る解決への行動としては、これしかないようにも思える。

 アメリカは実質的に戦争当事者であり、国内の党派争いを考えると、大胆な提案をする可能性はきわめて薄い。

 平和クラブが国連とリーダーシップを執って、アメリカ・EU・NATOがその動きを受け入れるならば、問題解決の光が見えるのではないか。

 もともと中国・インドの動きが大事だった。ところが、バイデン氏はさかんに牽制して、むしろ中露一体感を演出した。

 もし、ルラ氏の構想が実現するなら、米中による世界分裂みたいなバカな事態にも変化を起こせるかもしれない。