論 考

しっかり質問せよ

 防衛予算の数字について、「はじめに数字ありきではないか」と質問すると、「1年もかけて仔細に検討してきた」と答える。

 質問は、はじめに数字ありきだと分析する理由をもって質問せねばならない。時間をどのくらいかけて検討したのか質問しているのではないことはわかっているが、数字の詳細を話したくないので、答弁する側はこれ幸いとかみ合わない内容を語るわけだ。

 防衛費なんてものは、というか、国の予算は執行する側として、仔細に話したくないことが少なくない。だから、原則隠す傾向にある。

 質問する側は、政治が公正であるためには、公開させなければならないから、原則疑う傾向にある。

 紋切型質問では、紋切型答弁しか得られない。

 たとえば、予算審議以前に岸田氏はアメリカへ行って、防衛費を大盤振る舞いしますとご報告し、おおいにバイデン氏らを喜ばせた。常識的には、アメリカ製武器購入が大きいから相手が喜ぶのだろう。

 いま隠しても、いずれはばれる。隠さねばならない事情はなにか。中国の防衛費が中身不明だとしてジャンジャン文句の対象にするが、ならば、当方はおおいにあけっぴろげにやってみせればよろしかろう。