海外論調を拾うと、ゼレンスキー氏訪米は、和平に近づいていないこと、戦争が新たな段階に突入したことが確認された。
パトリオット供与は、ゼレンスキー氏が最大の成果と狙っていたものだが、これだけでロシアと全面対決できるだけの量が確保できるわけではなかろう。
パトリオットの指導もあって、米軍はさらにウクライナ兵の育成を増やす。アメリカの間接的介入はさらに深まる。
バイデン氏も期待した、ゼレンスキー氏による議会工作は成功したと見られるが、共和党議員は一部、ゼレンスキー氏の演説を欠席したのもいたらしい。
世論調査では、国民の1/3がウクライナ支援継続を支持していない。
当面するウクライナ支援はバイデン氏の希望通りだが、単に、国内の支援体制がどうだこうだというだけではなく、ウクライナ戦争終結への青写真を描かねばならない。
厭戦気分というのは、なかなか決着しないから発生する面もあるが、根本的に戦争という問題解決が持つ欠陥に関連している。がんがんやっているときには、なかなか表面化しないが、ただし、表面化すると戦争指導者の言動・行動を緊縛する。そこまで行ってから方針転換するのは非常にまずい。
和平が近づかず、戦争が新たな段階に突入したという裏面では、本質的問題解決への手探りがあっただろう。
ただ、戦争が行き着くところまで行くというのは、最悪である。国際関係も世界の秩序も根底から崩れてしまう。