論 考

戦争を引き寄せる愚

 政府与党の防衛論議が理解できない。

 安全保障環境がよくないのであれば、まず、議論すべきは緊張緩和を図ることについてだろう。

 自衛のための軍事力を強化すると抗弁しても、敵基地攻撃能力自体が戦争に直結している取り組みだから、周辺国が、ああそうですかと納得しない。

 要するに、いつでも、やる気ありだと見られるだけだ。

 岸田氏は、国民を守ると語るが、完全なペテンである。なんとなれば、戦争になった場合、拱手傍観していられる国民はいない。

 ウクライナ戦争の報道が、かくも賑やかであるのに、戦争の実態を絵空事としてとらえているみたいである。

 戦争になれば、岸田氏や自衛隊が守ってくれるというのは幻想である。

 たしかなことは1つ――戦争をするのは国民各人である。これが、ウクライナ戦争が教える真実である。

 ただいまのような能天気な防衛論議が進んでいること自体が、誰も本気で考えてはいないことを示す。なにをかいわんや。