論 考

メシの手段としての政治稼業

 葉梨氏の軽率な発言は大方指摘されているので、むしろ、彼の政治家としての関心・志向性について気づいたことを書く。

 発言の内容からすれば、氏が希求している政治活動は、目立つ・カネが集まる・票が取れるの3点セットである。換言すれば、名誉・儲け・身分確保であり、昔からの言葉で言うなら、看板・鞄・地盤だ。

 筆者からみればまだ若いが、典型的に古いタイプの政治家で、一頭地を抜くところまで届いていない陣笠議員根性でもある。

 勤め人にたとえれば、仕事で手柄を立てれば必然的に出世すると考えるタイプではない。氏はわかっている。出世するには、仕事そのものに邁進してもダメだ。仕事で手柄を立てるのは容易でないし、手柄を立てれば足を引っ張られたりもする。不効率である。

 それより、出世することをつねに念頭において活動する。それが、看板・鞄・地盤である。まことに率直に自分の存念、ライフラークを語ったわけだ。

 よい政治のために活動するのではなく、卑俗な表現をすれば、政治は自分のメシの手段に過ぎない。茨城3区のみなさんが失望したのは無理もない。

 しかし、このタイプの政治家は多いであろう。