論 考

ごまかし諸君

 H・D・ソロー(1817~1862)が生まれて200年だ。

 ソローは随筆『市民としての反抗』に、「ほんの少ししか支配しない政府こそ最上の政府である」と書いた。

 昨今、真っ当な言葉が話せないにもかかわらず、自分の思い込みを押し出すことばかりに執心する政治家連中を見ていると、この表現は――政治とはなんたるか――についての至言だと思う。

 政治家が、人々を支配するなんて不埒な考え方をもたなければ、モリ・カケ騒動も起きないし、キン・トラ危機も発生しない。

 そこで「戦争の原因は政治家である」と主張したい。

 「ごまかしの悪魔 Demon of chicane」という言葉がある。

 chicaneをpoliticianと置けば、言い得て妙ではあるまいか。