論 考

無免許のろのろ運転

 筆者は悪質な暴走族とは無縁だが、高校時代からバイクで走り回っていた。ベンリイ、メグロ、ポインターなど懐かしく思い出す。

 まあ、こんにちのバイクとは異なって、中古であるし、故障させないように機嫌をとりつつ走るという時代であった。

 25歳のとき、いい調子で京都へ一直線の街道を走っていたが、30秒くらい居眠りしたことを認識した。冷や汗が出た。

 これは危ない。思い切って免許を更新しなかった。以来半世紀、自分が起こす交通事故とは無縁にやってきた。生来粗忽、この決断は上等だった。

 岸田氏をドライバーに例えれば、ポーズは安全運転だったが、実際はかなりの無謀運転、それものろのろ運転で、平気で信号無視する。免許証提示を求めたら、実は無免許であったという感じだ。

 ご本人は精一杯のつもりらしく、自己認知できない。安倍氏以来のリーダーに共通するのが自己認知できない。つまりは、反省しない。反省できるかできないか。とくに権力の座に就いた人間が日に三度省みないのは致命的欠陥だ。

 政治家に限らないが恰好つけたり、取り繕いが巧みなだけではダメだ。