論 考

真夏の神頼み

 コロナ感染状況、東京は昨日10万人当たり1,552.26人で、3日間連続で下がっている。全国の感染者数と退院者数も、退院者数が感染者数を1.2倍上回った。この傾向はピーク超えの特徴の1つである。

 全国知事会・日本医師会・専門家が、感染者全数把握を止めるように主張している。理由は軽症者が多く、時間を費やしても聞き取りが役立っていない。なによりも感染拡大で人手が追い付かないわけだ。

 感染症対策は3つのT、Testing(検査)・Tracking(感染追跡)・Tracing(接触者追跡)が、いろはの「い」のはずだが、現場がついていけないから全数把握を止めるというのは、理屈が通らない。

 軽症者が多いというのであれば、きちっとその内容の研究報告が必要だ。いまや、感染数世界ランキングで日本は11位まで上がってきた。感染数が低くて、日本方式(?)を吹聴した首相もいたが、相変わらず出たとこ勝負の運任せ。

 岸田氏が感染症発現以来の徹底検証をすると大見得切って、ほとんどなにもしなかった。菅内閣にならえば、すでに退陣の声が出てもおかしくはない。全数検査を止めるとすれば、話を蒸し返すことになるから、政府はおいそれと現場の声に追従できないという辺りだろう。