論 考

岸田口だけ公約のツケ

 コロナ感染拡大急ピッチ、病院はお手上げ。重症患者を救うと看板を掲げるが、全体の拡大を抑える方法はほぼない。ここまで来れば、岸田内閣が当所からサボタージュをおこなっていたことは隠しようもない。

 一部には、ワクチン接種に反対する見解がある。それも、科学的的(科学的とは思いにくい)なものから、お祈り的なものまで幅がある。ここまで来ても、こうした見解が登場するのは、科学的にやっているはずの政府・専門家の説得が通じていないからだ。1人ひとりの自発的良識に期待するのは是としても、それ以上に、政府・専門家は科学的知見を総結集して、少しずつであっても、状況対応力を上げねばならない。

 とりわけ政治のサボタージュは大問題である。4月から6月の間、対策分科会の要請があっても、分科会を開催しなかった。意図的である。選挙戦を考えて、寝た子を起こさない作戦だっただろうが、これは全面的に国民に対する裏切り行為である。

 しかも、岸田氏は自民党総裁選以来、コロナ感染発生以来の取り組みを徹底検証して6月に司令塔を立てると公約した。たった1ヶ月委員会を開催しただけで、ほとんどなにもやらなかった。悪質である。

 筆者はなんども指摘してきたが、なんどでも持ち出して批判する。これは、忘れ去るべき問題ではない。岸田氏の真剣さがどんなものか物語って余りあると思うからである。

 自民党政治が長く続いた理由は、次々に発生する新しい問題に、人々の関心を転移させて、1つひとつの課題を適当に放置したことによる。政治を変えるには、国民がPDCのチェックの役割をつねに怠らないことだ。