論 考

闇から闇へ

 民主主義における政治の仕事は、その社会の人々が権力の介入を必要とせずに、日々の暮らしを円滑に過ごせることだ。

 怪しい布教活動を展開する宗教団体は、不安を抱えて孤独というより、孤立している人々が藁にもすがりたいと思う心理状態に便乗して、信者を巧みに勧誘する。怪しい宗教活動は、社会が好ましくない事態にあるから成立する。

 信者は、信仰の証として、教団に貢がされる。リアルにみれば、信者は宗教団体にとって資金源である。集めた資金や、信者を動員した選挙活動で、宗教団体は政治家に貢ぐ。

 自民党には、安倍氏も含めて怪しい宗教団体との怪しい関係が取り沙汰されている政治家がいる。

 そそくさと無理筋の国葬を持ち出したのは、政治家と怪しい宗教団体との関係に人々の関心が集中しないように、瓶の蓋を急いでいるようだ。

 銃弾が民主主義を破壊するのではない。事態を受け止める側が、破壊するのだという事実の片鱗がみえる。

 まさに、安倍政治を批判できないよう、闇に葬り去る戦術であろう。