論 考

「History repeats itself」の危惧

 北朝鮮の孤立は明確になっている。

 中国・ロシアの北朝鮮に対する影響力はつとに限界が見えていた。にもかかわらず、アメリカ組はとりわけ中国に影響力行使を期待していた。

 中国が国連安保理制裁決議に同意したから、北朝鮮を説得するのは、ますます無理になった――と推測するのが妥当である。

 北朝鮮は、本当のところは国内事情で簡単に路線転換できないのではないか。かつて日本が敗戦必至であるにもかかわらず、ポツダム宣言を直ぐに飲めず、広島・長崎に原爆を投下され、さらにソ連が参戦するまで権力支配層が方向転換しなかったのと酷似している。

 つまり、こうなると制裁論を推進したアメリカの出番というわけだ。そこで——トランプ路線か、ティラーソン路線か?

 そして、北朝鮮が「玉砕」路線を転換できるか?