論 考

G7の討議は価値を生んだか

 ウクライナ戦争は膠着状態。ロシアの飛び道具作戦が目立つ。G7の紳士淑女の奇妙に晴れやかな! 表情に違和感がある。ジョンソン氏に言わせれば、G7が元気なところをプーチンに誇示するというが、いかんせん議論の中身がない。

 拱手傍観して結束を固めているようにしか見えない。もちろん、けしからんのはプーチンだが、G7なんだから、ウクライナを支えるだけでは物足りない。戦争を止めさせねばならない。

 西側がウクライナに和平協定を強要しないというのは現状の追認であって、問題解決へ向かっていない。ロシアが追い込まれると核を使う可能性があるとの見方がある。それは、西側の支援をうけてウクライナが善戦健闘することによっても、同じ危惧がある。

 どうすればプーチンが戦争(特別軍事作戦)を停止するか。西側は検討しているが、超極秘で公表しないという観測も成り立つ。

 ウクライナにしても、ロシアにしても、止めないかぎり敗北ではないという理屈が成立するが、ゴールをしっかり押さえた結束でなければ、対プーチン戦略でございますとは言えない。

 わたしが危惧するのは、ウクライナが本当に戦闘を継続できるのか。1つは、ロシアを敗北させるほどの支援ができるのか。先日の発表では、ウクライナは1日100人程度兵士が亡くなっているそうだ。負傷はその数倍だ。

 戦争は精神力だけではできない。いかに、自由・独立の大義名分があろうとも。G7が本当に中身のある議論をしたのか。いつかは証明されるとしても、現時点では、暗たんたる思いを捨てられない。