日米豪印のクワッドなる会合は、よくわからない。
開かれたインド太平洋を唱えつつ、本丸は中国排除である。邦字紙は、アメリカがアジア太平洋へ戻ってきたから歓迎だというが、トラブルメーカーだという視点がすっぽり欠落した論調だ。
ロシアのウクライナ侵略にしても、NATO拡大戦略がおおいに原因だ。アメリカという国は、依然として西部開拓時代のDNAが残っているらしい。もともとの住民を無視して、牧場を囲い、挑発しておいて、攻撃されると防衛だとしてボカボカやる。
開かれたインド太平洋を掲げるなら、仲間を選別するのはおかしい。
まして、集団防衛を固定的にすると、そのリスクは格段に増える。いまの良識としての「頼り」は、インドだ。その全方位外交は実に賢明。それが、クアッドに暗黙の制御を加えている。
バイデン氏は、トランプ氏とは異なるが、お山の大将ボク1人の性根はまったく同じだ。アメリカ的マッチポンプの危うさについて、邦字紙はバランスを欠いた見識を示している。矛盾を矛盾として見立てられないのは、ジャーナリズムの質的低下を物語る。しっかりせよ。